岐阜の養蜂家が「はちみつ」と「ミツバチ」にかける熱い想いを語る

「はちみつ屋ではなく、
蜂屋でありたいー」
ミツバチと養蜂家の
蜜な関係

おいしいはちみつの生産に欠かせない「養蜂」。
養蜂とは、はちみつを採るためにミツバチを育てることです。
カナダやオーストラリアなど、世界中で行われています。

日本では、明治時代から本格的な養蜂(近代養蜂)が始まりました。
岐阜県でも明治時代から行われ、日本における近代養蜂の礎を築いたと言われています。現在も岐阜県内の豊かな自然環境を活かし養蜂を行っている、全国でも有数の産地です。

『Honey Cafe Meets』で取り扱うはちみつの生産者、養蜂家 兼松健太郎が養蜂場を持っているのは、岐阜市の北西部です。蜂の蜜源となる柿やハゼの木が生い茂る林の中にあります。
近くには川が流れ、様々な植物が自生する豊かな自然環境の中、養蜂を行っています。

時期によっては関市などの近隣の森にも巣箱を移し、暑い夏は日陰の涼しい場所で育てたり、スズメバチやクマから巣箱が襲われないように守ったりと、ミツバチが過ごしやすく、安全な環境での養蜂を行っています。
はちみつが採れるのは春と夏です。
春は、レンゲや桜のほか、春に咲く様々な花から集めた百花と呼ばれるはちみつ、夏は、柿やハゼから集めたはちみつを生産しています。

ミツバチが集めた蜜は、「しっかり熟成させてから採る」のが兼松健太郎の採取法です。
熟成させるため糖度が上がり、濃厚なはちみつが採れます。
通常よりも時間をかけるため、採れる量は減ってしまいますが、天然のおいしさがギュッと詰まったはちみつを生産するためのこだわりです。

はちみつ採取のためだけでなく、植物の花粉交配にもミツバチは欠かせません。
養蜂家は農家に蜂を提供することもあり、ミツバチは農産物の生産も支えています。
しかし、近年、ミツバチの生息数は減少しています。
異常気象や自然環境の悪化などにより蜜源(植物)が減ることでミツバチを弱らせたり、大量死を引き起こしたりしているとも言われています。
また、農作物に散布される「農薬」がミツバチの生態系に悪影響を及ぼしているともいわれています。
おいしい国産はちみつの生産を維持するためには、ミツバチが繁殖できる環境を作ることが必要です。
養蜂家は、ミツバチの置かれている厳しい状況を多くの人に知ってもらい、地域一丸となってミツバチが育ちやすい環境づくりに努めていこうと、日々奮闘しています。
「はちみつ屋ではなく、蜂屋でありたい」
これはそのような中で養蜂家として活動する兼松健太郎の、ミツバチと自然に対する想いがこもった言葉です。

『Honey Cafe Meets』ではこのような養蜂家 兼松健太郎の想いを受け、はちみつメニューの提供のほか、養蜂や自然環境にも興味を持っていただける活動を行っていく予定です。